JBL で Bach を...

JBL4343のマルチシステムの話題を中心に

キルンベルガーIII音律

BachはWerckmeister IIIかそれに近い音律を用いていたと考えられているが、Bachの弟子の一人であるキルンベルガーはさらにそれを進化させ、現在でもKirnberger IIIとしてオルガンなどにも使用される音律を開発した。 音楽迎賓館のオルガン Kirnberger III調…

ヴェルクマイスター音律

ヴェルクマイスター(Werckmeister)音律はBachより少し古い時代の音律で、BachのClavier曲集など12音を多用する音楽にも対応できるとされている。12個の5度のうち8個の純正な完全5度を、残りの4個の5度にピタゴラスコンマを4分割して圧縮して詰め込…

シントニックコンマ

ピタゴラス音律で生じた「しわ寄せ」であるピタゴラスコンマだが、これをなんとか12の音階に平均化して振り分けたのが平均律だった。これにより12音が1オクターブ内にめでたく収まった。しかし、ピタゴラス音律での一番の優位点だった純正の完全5度 (¢702…

平均律

言うまでもなくJ.S.Bachの作曲した旧約聖書とも称される傑作、平均律クラヴィーア曲集(Das Wohltemperierte Clavier)だが、ここでの平均律は音律で言うところの平均律(equal temperament)とは異なるとされている。Wohltemperierteは英語ではwell-tempere…

ピタゴラス音律

アップライトピアノの弦は低音用としては一つの音に対して1本の弦が割り当てられていて、一つのキーを叩くと1本の弦が振動して音が出る。中音は一つのキーにたいして2本、高音は3本の弦が張られている。2本の弦の場合、2本の弦からの音が同じ周波数と…

バロックピッチと古典音律

古典音律やピッチについて色々興味が湧いてきたのでネットを調べるうちに情報がたまってきたので備忘録的に整理して行こうと思う。 現代のピアノのピッチは国際的にA=440Hzという基準に基づいているため、様々な楽器でのアンサンブルで使用することができる…

チェンバロの調律

世田谷の岡本町にある音楽迎賓館でチェンバロを弾かせていただく機会があり、フランスバロック風モデルのチェンバロの音色と、木材を多用したホールの良い響きを堪能した。このチェンバロは2段鍵盤の本格的なもので、このホールでの演奏会で活躍しているも…

低音ドライバーのニアフィールド特性

Wooferの2231AとMid Bassの2121のニアフィールド特性を取ってみた。マイクを5mmくらいまでスピーカーに近接させて取るので反射波や定在波の影響が少なく、マイクから見ると無限大バッフルに近い特性になる。なのでほぼドライバーの性能がそのまま見えてくる…

低音域特性の測定

ARTAでインパルス応答に時間ゲートをかけて反射音を取り除くという手法が低音域の測定ではできないので、低音域の測定にはNear field測定を行なう。マイクをスピーカーに接近させて反射音や定在波の影響を受けにくくして測定する。4343の場合、低域はポート…

JBL4343ミッドバス逆相問題

ネットでよく見るJBL4343の記事によると、JBL4343がうまく鳴っているのを聴いたことがない、とかミッドバスのつながりが良くないとか、かつてオーディオブームだったころの人気商品だっただけに、いち4343ユーザーとしてなにか心苦しい思いだ。自分はマルチ…

位相(phase)と極性(polarity)

歌手がマイクに向かって歌を吹き込み、音を調整し録音してCDを制作するとする。家庭ではそのCDをプレーヤーにかけてアンプを経てスピーカーから音が出てくるとする。このとき歌手が「ふっ」と発声した息がマイクのダイヤフラムを押し込む方向に動いたとする…

クロスオーバーとリバースヌル

Linkwitz-Rileyフィルターを使って、低域フィルターと高域フィルターをクロスオーバーさせれば電気的にはフラットな特性が得られるが、音波的にはそうはならない。スピーカーが持つ電気的機械的音響的な伝達関数が間に入るからだ。これを考慮した上でクロス…

ディレイと位相

DCX2496では、Short delay(調整範囲:0から4000mm (11.64ms))とPhase(調整範囲:0から180°まで)が設定できるようになっている。 Short delay , Phase Short delayを使って各ユニットごとに、聴取位置までの距離を音波が伝わる時間差を調整してきた。では…

タイムアライメントのための到達時間測定

ARTAのImpulse response計測の機能でそれぞれのユニットから聴取位置までの到達時間を計測する。インパルス応答といっても昔のようにパルス波形を発生させる方式から、現在ではピンクノイズやスイープ(チャープ)波形などを発生させ、計測信号を取り込んだ…

タイムアライメント

4343は設計的にタイムアライメントが考慮されていないので横から見ると、図のように各ユニットのダイアフラムの位置がまちまちのため、聴取位置からの距離に差が出てしまう。例えば、2420と2121をクロスオーバーしようとすると、d2,d3の距離の違いによる聴取…

音響測定系

昔は音響測定などしないで、自分の耳だけを頼りにマルチアンプシステムを組み上げたツワモノがいたようだ。はっきり言って音響測定手段とデジタルプロセッサーを使わずにマルチアンプシステムを組み上げるのは「不可能です」と言いたい。マルチアンプシステ…

パワーアンプとスピーカーケーブル

LF(低域)、MF(中域)、HF(高域)の各チャンネルにAccuphase P-300Xをそれぞれ使用する。P-300Xはケンソニック時代の豪快さをまだ継承しているモデルと言われている。パワーアンプはクセの強いJBLユニットを強靭に抑え込まなければならない。そのためには…

バランス入力8チャンネル連動マスターボリュームユニット

DCX2496の出力は8チャンネルボリュームユニットに入る。マルチアンプの場合8チャンネルのバランスを保ちながら、全体のボリュームを調整するのがどうしても必要になってくる。これをデジタルドメインでやるとなるとビット落ちして精度が落ちるので、音質も…

DCX2496の接続

DCX2496にはデジタルのAES/EBUで入力するのがおすすめだ。デジタル入力なら内蔵のADCを経由せず、入力をそのままデジタル信号処理に移行できる。アナログの場合は、プロ用なので基準レベルが+4dBuの差動(バランス)入力のため、CDプレーヤーなどのオーディ…

音源の入力系

PC上の音源が再生され、SPDIF同軸から出力される。これをそのままAES/EBUに変換してDCX2496に入力してもいいのだが、ここはSPDIF同軸 → SPDIF光 → AES/EBUとした。間を光ファイバーとすることでPC系の電源とオーディオ系の電源をアイソレートし、グランドル…

JBLでマルチアンプ?

JBLならJazz、TANNOYならクラシック、というのがオーディオの世界ではあたりまえ。しかしJazzもクラシックも両方聴くけどJBLとTANNOYと両方揃えるわけにはいかない。このクセが強いJBLをなんとかてなずけてゆきたい。 そもそもJBL4343は"STUDIO MONITOR"と称…