JBL で Bach を...

JBL4343のマルチシステムの話題を中心に

タイムアライメントのための到達時間測定

  ARTAのImpulse response計測の機能でそれぞれのユニットから聴取位置までの到達時間を計測する。インパルス応答といっても昔のようにパルス波形を発生させる方式から、現在ではピンクノイズやスイープ(チャープ)波形などを発生させ、計測信号を取り込んだのち演算にて伝達関数を割り出す方式が主流である。さらに時間ドメインに変換し、インパルスレスポンスがどのような形かを類推し下のような時間波形をわり出すことが可能だ。インパルス波形をスピーカーで鳴らしても音のエネルギーが足りないので観測が難しかったがARTAではピンクノイズを発生させて簡単に見ることができる。

 これは、2420(ドライバー)と2405(ツイーター)のインパルス応答の例で、その時間差はGate時間の0.646ms(=223mm)になっているのでこれを利用してDCX2496のShort Delayを設定すればよい。

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2420 と2405のインパルス応答

 これを繰り返してさらに精密に合わせ込むこともできるが、このあと位相補償をおこないクロスオーバーでの最適化をするので、ここではラフに合わせておくとよい。

 4343の場合、ダイアフラムの位置が一番奥まっているのが2420なので、設定するディレイ量は、2420が一番小さい。他のユニットは、20cm前後のディレイ量を設定すると2420の波面と合ってくることになる。