JBL で Bach を...

JBL4343のマルチシステムの話題を中心に

チェンバロの調律

 世田谷の岡本町にある音楽迎賓館でチェンバロを弾かせていただく機会があり、フランスバロック風モデルのチェンバロの音色と、木材を多用したホールの良い響きを堪能した。このチェンバロは2段鍵盤の本格的なもので、このホールでの演奏会で活躍しているものだ。

 聞けばチェンバロという楽器はピッチが狂いやすく、ピアノよりもはるかに頻繁に調律しなければならず、通常は演奏者自ら演奏の前に調律するものだということだ。ピアノの調律ならば自宅のピアノをいじくり回すことはあっても、チェンバロはもちろん調律の経験がない。はたと困って当日までにいろいろにわか調べをして、スマホのチューナーアプリを携えて臨んだが、心配そうに怪訝な顔で覗き込む館長が見つめる中、幸いにもたいしてピッチが狂っていなかったので、調律をせずに事なきを得た。ww

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チェンバロ  音楽迎賓館にて

 また、基準のピッチは通常のA=440Hzではなくバロックピッチと呼ばれるA=415Hzであることや、音律に関しても平均律ではなく古典音律を採用することが多いということだ。このチェンバロはトランスポージング機能と言ってピッチ切り替えができるタイプのようだが、前出の館長によると当館では415Hzだ!とおっしゃるのでこれも触らずにおいた。そんな中、そもそも音律はピタゴラスの時代からいろいろな変遷を経て今日、平均律が普及するに至っているが、未だに生き残っている古典音律というものにも興味が湧いてきたので、少し調べてみようかという気になった。

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