JBLでマルチアンプ?
JBLならJazz、TANNOYならクラシック、というのがオーディオの世界ではあたりまえ。しかしJazzもクラシックも両方聴くけどJBLとTANNOYと両方揃えるわけにはいかない。このクセが強いJBLをなんとかてなずけてゆきたい。
そもそもJBL4343は"STUDIO MONITOR"と称するスピーカーだ。音楽スタジオでのモニター用なので、エフェクトなどかけた音を聴きながら調整するときに使うもので、聴きたい音を鮮明にゴリゴリ前に出して調整しやすくする。なので家庭のリラックスした環境でいい音楽を聴くものでは、決してない。
最近は音楽制作の環境もだいぶ変わってきているので、こんなスピーカーを使っているスタジオももうないのでは。この4343を入手したのもかれこれ40年も前の話、たまたまスタジオ払い下げが格安で入手できたのがきっかけだった。
なので、エッジやダイアフラムが劣化していたのは修復したが、内蔵のネットワークの3143はロータリースイッチの接点や素子の劣化は如何ともし難く、ならば様々なメリットが期待できるマルチアンプ化に踏み切ったというわけ。
現状のシステムを紹介しよう。
まず、音源はPCでのネット音源も含めデジタルソースがメインになる。古い音源でも最近はデジタル音源で聴けるので、LPレコードなどのアナログソースは、プライオリティを下げた。聴きたくなった場合はDCX2496のアナログ入力につなげば良い。
デジタル音源はデジタルのままDCX2496に入力する。アナログで入力すると内蔵のADCを使うことになる。なるべくAD/DA変換の回数を減らしたい。CDプレーヤーからも光ファイバーでの入力とした。光デジタルからAES/EBUに変換し2台のDCX2496への入力とする。変換器は自作した。
BEHRINGER DCX2496は1台で6チャンネルの処理ができるので、4ウェイステレオの8チャンネルには2台必要だ。余った残りの4チャンネルは、独立のモニター系や測定用に使用できる。
DCX2496の出力はバランス(平衡)でしかもプロ用の基準レベル(+4dBu)で出ているので、プロ用のパワーアンプを使うか、もしくはオーディオ用アンプを使うなら、オーディオの基準レベルにまで約12dBほど落とさなければならない。
ここではバランス・アンバラ変換と8チャンネルマスターボリュームを兼ねてオーディオレベルが出力できるものを自作した。これの出力がそれぞれJBLの呼び方で言うLF(低域)、MF(中域)、HF(高域)、UHF(超高域)の4ウェイステレオの8チャンネルである。これらを4台のパワーアンプにいれて増幅し、4343の各ユニットをそれぞれドライブする。