JBL で Bach を...

JBL4343のマルチシステムの話題を中心に

バロックピッチと古典音律

 古典音律やピッチについて色々興味が湧いてきたのでネットを調べるうちに情報がたまってきたので備忘録的に整理して行こうと思う。

 現代のピアノのピッチは国際的にA=440Hzという基準に基づいているため、様々な楽器でのアンサンブルで使用することができる。ただ最近はA=442HzとかA=444Hzとかでピアノを調律することが多々あるとのこと。また、欧州のオーケストラのピッチも高いと言われており、ベルリン・フィルはA=445Hz付近とのことで、高いほうが華やかに聞こえるそうだが私にはよくわからない。

 先日弾かせてもらったチェンバロではトランスポージング機能が付いていて、これは鍵盤の付いているユニットをまるごと左に半音、または全音の幅だけずらすと、今までAの鍵盤を押すと、Aの弦を弾いていたものが、その左隣りの弦が弾かれるので鍵盤一つ分ずらせば半音、2つ分ずらせば全音低い音が出る、という仕組みだ。したがって、A=440Hzで合わせていた場合、半音下にトランスポーズするとA=415Hz(バロックピッチ)、全音下だとA=392Hz(ベルサイユピッチ)になり、ピリオド楽器とのアンサンブルが可能になる。

 ただし、このようにトランスポーズした場合、平均律ならば問題ないが、古典音律で調律されている場合は、各音階の間隔が不均等なため、その音律に合った調律をやり直さなければならない。そういうこともあってあまりトランスポーズしないでくれ、というのも理解できる。

 実際の演奏では、知る限りバロックピッチに調律されたピアノというものはなく、バッハなどをピアノで演奏する場合は標準ピッチになる。チェンバロの場合はというと、最近はバロックピッチでの演奏がほとんどのようだが、同じヘルムート・ヴァルヒャの演奏でも標準ピッチの録音もあり、バロックピッチでの演奏と両方を使い分けているようだ。ベルサイユピッチでの演奏もたまに見かけるが、これは特別な理由があるのだろう。