JBL で Bach を...

JBL4343のマルチシステムの話題を中心に

クロスオーバーとリバースヌル

  Linkwitz-Rileyフィルターを使って、低域フィルターと高域フィルターをクロスオーバーさせれば電気的にはフラットな特性が得られるが、音波的にはそうはならない。スピーカーが持つ電気的機械的音響的な伝達関数が間に入るからだ。これを考慮した上でクロスオーバーを設定することになる。例えば高音ユニットの下側のスロープ特性と低音ユニットの上側のスロープ特性が異なれば、低域フィルターと高域フィルターの次数が異なることもありうる。

 ここでは暫定的に無難な選択として4次のLinkwitz-Riley(LR24)クロスオーバーを採用した。 聴感上の評価はもちろん、クロスオーバーの繋がりの評価としてはリバースヌルポイントが出現することでつながっていることを確認する。

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  リバースヌルは、クロスオーバー周波数で片側の極性を反転して足し合わせるとnullになることから、クロスオーバー周波数での位相が合っていることが確認できる。

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LR24クロスオーバーでのReverse Null (LT-spiceによる)

 調整は、Phase または、Short delayを増減させながらARTAでFR(Frequency Response)を観測して、ディップが最大になるところを探した。

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HF+UHF 黒がnormal、オレンジ色がReverse

 ノーマルフェーズで少し盛り上がりがあるので、スロープの最適化をすべきかもしれない。

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MF+HF

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LF+MF

  低域ではFar Field測定が困難になる。定在波も大きいようだ。